骨董品を愛する華族令嬢の一之宮 菊華(いちのみや きっか)は両親の没後、
叔父夫婦に育てられるも年頃を迎えたある日、金主の後妻として売られそうになる。
たまらず家を飛び出し、はや五年――。
菊華は“太郎”と名前を偽り、男装してイギリスに停泊する骨董品の貿易船で下働きをしていた。
骨董品に携われる仕事であり、将来は自分の骨董店を持つという夢もある。
そんな楽ではないが充実した毎日の折、
貿易商会の会頭である東堂政宗(とうどう まさむね)が船を訪れて……。
「極めて雑な偽名ですね“一之宮 菊華”さん」
なぜか本名を知っている政宗に驚く菊華であったが、
さらに「結婚しましょうか 俺たち」と予想だにしない求婚をされて!?